インターネット ホームページデザイン
  インターネットエンジェルたちのためのWWW & HTML
吉村信・家永百合子・鐙聡 編著
株式会社翔泳社 2400円

 HTMLを書くという作業は、ホームページを作る作業ではあるが、実は「論理構造の記述によるテキストの構築」をやっているのだ。早い話がプログラミング。しかし、実際のところ、それはもうどうでもいい。どのような構造であれ、自分が作りたいホームページが作れて、それが見る人にとって楽しいものであれば、もう言うことはない。論理構造より見た目の表示結果の方が重要だ、特にわたしたちシロウトのホームページャーにとっては。
 この「インターネット・ホームページ・デザイン」が、他のHTMLの解説本と大きく違う点は、その両方、つまり論理構造と表示結果のそれぞれについて、きちんと説明が成されている点だ。とにかくこういうふうに書いとけば、こんなふうに表示されるよ、という感じの、丸覚えスタイルではなく、かといって、この記述はこのような論理構造を説明するために使われる、といった言語学習的なものでもない。その両方の視点を保ちつつ、それらのタグ(HTML上のコマンドのようなもの)の使い方及び読み方、応用を分かりやすく解説してくれる。
 さらに、GIF画像やMPEGデータ、音声データなどの、ホームページで扱うデータの作り方や、それをホームページ上で扱うための注意。HTMLの歴史や、VRMLなどのこれからのフォーマットの解説などに至るまで、HTMLを使ってホームページをデザインするために必要な知識は、ほぼ全て含まれている。
 概念から実用、さらに、この先出来るようになるであろうことまでを網羅して、ホームページで遊びたい全ての人が、自分のアイディアを形にするために必要な知識が一冊にまとまっているわけだ。あとは、何をしたいのか、という部分だけだ。そこは、これからホームページをデザインする、それぞれの人に任せられている。さあ、何がしたいの?しようと思えば、これだけのことができるよ。この本はそう言っているのである。