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HAIGHT・ASHBURY in the Sixties!
販売元:COMPTON'S NEWMEDIA
価格:輸入盤
対応機種:HYBRID仕様
●HAIGHT・ASHBURY in the Sixties!
サンフランシスコのASHBURYまで600、HAIGHTまで1500という交差点が、60年代にフラワームーブメントのある種の中心地であった(らしい)。で、その一角を中心に置いて60年代の一連のムーブメントを歴史的に捉えようというのが、このCD-ROMの目的のようだ。「ようだ」というのは、私が日本人で、1963年生まれだから世代的には70年代後半から80年代の人間だからなんだけど、こんな地域限定的な60年代を把握できる日本人なんて、もしかしたら植草甚一以外には2、3人くらいしかいないんじゃないだろうか。
HAIGHT-ASHBURYの隆盛と崩壊などと題されて、60年代の歴史が、グチャグチャのサイケな画面にコラージュされた当時の写真やポスターを背景にナレーションで説明される。何故か60年代は、サイケデリックでデタラメな色彩と、グニャグニャしたロゴのふざけたビジュアルを背景にしながら、妙に小難しい話を展開する、というスタイルで常に語られてしまう。多分、あれって思想なんだよね。ジャニス・ジョプリンもボブ・ディランもビートルズでさえも、多分音楽以前に思想として受け取られてしまっている。そりゃ、ニール・ヤングは仲間外れになるわけだ、とか思うけど、本当にそうか?
多分、思想になってしまっただけなんだと思う。リアルタイムであの時代と遊んでた連中が、どれだけティモシー・リアリーを読んでただろう。読んでもファッションの一部だったんじゃないだろうか。ウッドストックの映画や、このCD-ROMに入ってる写真を見てると、「こんな顔した奴が、モノ考えてるわけがねーじゃん」と、強く思う。当時のロックバンドにくっついてたグルーピーのねーさんたちで作ったGTO'sってバンドがあって、フランク・ザッパはプロデュースしてるわ、ジェフ・ベックは参加してるわ、ロッド・スチュワート、ニッキー・ホプキンスなんかまで顔を出して、死ぬほどくだらない出来のレコードになってる。そんなの見てると、絶対遊んでただけだとしか思えないもん。それが思想になって、思想や歴史として語られてしまうのが、現在の、どーしょーもない不幸だ。
だからこのCD-ROMには、やたらとテキストが多い。HAIGHT-ASHBURYに警察が介入した、とかいうどーでもいいことが、何かの事件のように語られてしまう。当時、それは遊びで書かれたものだったはずなのにね。とにかく、このCD-ROMは至る所で、60年代を学習しろ、勉強しろ、と迫ってきて、その迫力だけは評価に値するし、それにかぶれる人が出てきても不思議はないけど、私は、イヤだ。そう思って見るせいか、いちいち現れる東洋的な記号や、マンダラ的な画面構成なんかを見て、「だからバカだって言ってんだよーっ!」と怒鳴ってしまう。
ボブ・ディランが「チェンジ」と歌った状況から、もうどれだけ遠いところに来たと思ってんの?って言いたくなる。パンクって、そんな60年代引きずりオヤジがみっともなかったから、「そんなのカッコわりー!」って言って出てきたんじゃなかった?どーせ、俺らは、何にも生み出さない70年代に育った子供だよ。でも、だから、その分、価値観だけは自分で作ってきたんだもん。もう、60年代なんて、「ダサイ」の一言で片づけて、何にも残してくんなかったじゃない、とか、そんな恨み言は言うのも疲れるから、ドラッグ無しで修行も無しで、自分の頭で考えることだけは身につけたんじゃない。だから宗教も要らないんだよ。ペーガン(古代ケルトの民間信仰に基づいて60年代とかにアメリカのヒッピーによってリバイブされた宗教)とか、今でもアメリカの若い衆が信仰してたりするんだもん、やんなっちゃうよね。
などという事を延々と考えさせるんだから、このCD-ROMってそれなりに凄いのかも。二枚組で、一枚がHAIGHTサイド、二枚目がASHBURYサイドってことになってるけど、一枚目見てて、二枚目のデータにアクセスするのに、いったん終了させてから二枚目を起動し直すなんてメンドーな作りになってるけど、インターフェイスもデザインも、見事に統一されてる上に、ギンズバーグからグレイトフル・デッドまで(この二つはやたらと出てくるんだ、たるいぞ)収録データもやたらと充実してる(勉強ソフトだから当たり前か)。それでも、やっぱ腹立つなー。これってひがみでしょーか。
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HeadCandy
販売元:BMGビクター
定価:4800円
対応機種:Macintosh、Windows
●HeadCandy
ビデオドラッグって文化は、実は僕にはよく分からない。多分、それは、Love&Peaceの時代を引きずったものだろうし、その時代を知らないからなのかもしれないけれど、それを踏まえてもやっぱり分からない。インスピレーションへの信仰というのがないせいかな。
アッパー系のドラッグによる昂揚感と、あのサイケグリグリ画面とが、僕の中では繋がらない上に、つまらなくしか見えない。その手の映像が、常に想像のレベルを越えてくれないのだから、そこで何かを感じることは出来ない。まだしも禅の方が分かるな。こういうの他の人はどうなんだろう?と思う。少なくとも僕の回りの人々の反応は、僕と似たようなものだ。
ただ、光の明滅や、光点凝視による催眠効果なら分かるんで、案外、ビデオドラッグってのもそのバリエーションなんだろうな、という見当は付く。そういう場合の誘導を、かつてのサイケデリックミュージックが担っていたというのも、まあ分かる。リフレインの心地よさも。でもそれじゃあ、雨垂れでもいいんだし、自分だけでやることも出来るから、やっぱりこういう映像にお金を出すことは分からない。誰が見てるんだろう。
そのへん、この「HeadCandy」はうまいこと作ったかな、と思う。何せ、音楽があのブライアン・イーノだもん。ウリは充分。中身はどうでもいいから買うって人もいるんじゃないか?って感じだ。トッド・ラングレンも似たようなことやってるなあ。次はジェリー・ガルシアか?
で、このCD-ROMは、ビデオドラッグの体裁を持ってるけど、実は違う。ジャンル分けすると「バカCD-ROM」の部類に入るだろう。何か憎めないツマンナサというか、これを売るか?というバカバカしさというか、そんな感じ。そもそもイーノって人が、いったい何を聞かせたいの?という音楽をやる人だからなあ。アンビエント・ミュージックのシリーズ以降、理屈が先走る、興味深いけどツマンナイ音楽の天才になっちゃった。その彼の音楽に合わせて、カレイドスコープ風の画面を、プリズム偏光メガネをかけて見ていると、何かもう、つまんなさを通り過ぎてバカバカしくなってくる。このテクノロジーの無駄遣い野郎!ってもんだ。メガネは、男の子と女の子用の二つ入ってて、二人で見ろって書いてあるのがまたバカバカしくも、悲しく、笑わせる。そこが好き。
でも、二人で見ろってのは正解だと思う。感覚の共有なんて上等なもんじゃないけど、こういう退屈は、SEX前の二人には、何だか心地いい。これ見たら、あとは無言でセックスに突入できる。貧乏人の子沢山状態をテクノロジーで作り出そうとしたソフトなのかも。
画面のショボさも、この場合ハマったというものだろう。意味有りげですらない潔さが、サイケとは違い、「かつて」を引きずらないバカさ加減を醸し出して、またいい。
タイトルは、頭グニャグニャって感じなんだろうけど、作ってるやつらの方が頭溶けてんじゃないの?って言いたくなる。ここまでくだらないと、もう好きになるしかないじゃない。イーノって可愛いよなあ、とか。バカテクのくせに座ってしかギターが弾けない宗教ギタリストのロバート・フィリップも参加してるけど、それに大した意味もないし、遂に出たアダルト系以外でのバカCD-ROMの傑作だ。嬉しいなあ。愛してるよっ。
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HELLO WORLD:)
販売元:シックスティ・ミュージック・ネットワーク
価格:3900円
対応機種:Macintosh
●HELLO WORLD:)
かつては、REAL FISHというバンドを率いて、陽気な若き水族館員の一人だったし、その後、SHI-SHONENを結成し、テクノ・ミュージックの復権を目指し、さらに、ボーカリストにYOUを迎えて、フェア・チャイルドを結成。一躍メジャーとなったコンピュータ・ミュージックの雄、戸田誠司の新作「HELLO WORLD:)」は、音楽CDと、CDーROMの二枚組という珍しいスタイルになった。海外では、エクソシストのテーマにもなった「チューブラー・ベルズ」でお馴染みのマイク・オールドフィールドが、やはり新作のCDにオマケのCDーROMをつけるというし、このスタイルはこれからはやるのかな?
このCDーROMは、本人も言っているように、通常出ているCDーROM作品とは違い、単なるデジタル版ライナーノーツだ。あくまでも、主役は音楽なのだ。コンピュータ用語とダブルミーニングになっているタイトル。完全にDTMで作られた、テクノの味を残したコンピュータ・ミュージックらしい、ポップな曲の数々。それらの録音日誌や、曲の解説などがCDーROMで詳しく語られている。他にも、戸田誠司のバイオグラフィー、ディスコグラフィー、音楽以外のコンピュータによる作品などが収録されている。下手な野心がないせいか、バランスよく仕上がっている。インターフェイスもいいな。
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HIGHWAY
販売元:イントリーグ
価格:14,800円
対応機種:Macintosh
●HIGHWAY
ヒーリング&リラクゼーションソフトと銘打たれている、ビデオドラッグ的な作品。うねうねと画面が色が変化していく過程を眺めるという、サイケなものだ。フラクタルなどの数学的理論によって連続的に変化するテクスチャーイメージをフルスクリーンに描画するのだけれど、そのコントロールが出来るようにもなっているので、好みの画像を描かせることもできる。また、オーディオCDをコントロールして好きなBGMで画面を見ることも出来るなど、この手のドラッグイメージを見せるソフトの中では自由度が高いものだ。でも、やっぱりこういうのってわかんない。
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History Of The Blues
販売元:QUEUE,INC.
定価:輸入盤
対応機種:Macintosh
●History Of The Blues
ブルースの歴史、プランテーションでの生活に根ざして歌われ始めたブルースの発生から、最初の作曲家の誕生、各地域への広がりと12小節フォーム、更にスタイルの完成から、黒人専門レーベルの登場、その後の音楽に与えた影響までを、絵物語風に見せてくれる作品。音楽をテキストや絵、楽譜などと同時に見せることができるCD-ROMならではの題材だ。歴史と音楽のつながりは黒人音楽においては、かなり密接なものがあり、こういう形で提示されると、分かりやすく、しかも楽しくアメリカの歴史の勉強まで出来てしまう。日本語版が無いのが残念だ。
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How Computer Works日本語版
販売元:トワイライトエクスプレス
価格:12800円
対応機種:Macintosh
●How Computer Works日本語版
コンピューターとは何か。コンピューターで何が出来るのか。というようなことを図解とテキストとナレーションで見せてくれる。コンピューターのことをコンピューターで知るCD-ROMだ。結構分かりやすいんだけど、それを知ったことで、一体何になるのか、という気もするなあ。ただ、このCD-ROMには、デモアプリケーションがいくつかついてるし、そういうのを使って、また解説を見てというのは、何かに役立つかも。日本語版も出てるけど、ナレーションが日本語になっただけで、結構英語のままの部分が多い。しかも、この内容既に古いと思うけど新作は出るのかな?
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HYPER IMAGE MUSEUM
販売元:バンダイビジュアル(Mac)、NECホームエレクトロニクス(Win)
価格:14800円(Mac)、12800円(Win)
対応機種:Macintosh、Windows
●HYPER IMAGE MUSEUM
コンピューター・グラフィックスの歴史と現在に関するデータ・ベースプラス画集といった作品。雑誌「SUPER DESIGNING VOl.5」(玄光社)のCD-ROM化である。雑誌に使ったCG作品や、テキストが全てデジタル・データで受け渡しされていたことに目を付け、そのままCD-ROMのデータとして再利用した。もちろん、インターフェイス部分は完全に作ったものだけれど、その素材自体は雑誌に使われた物をほとんどそのまま使っている。使い回しが簡単に出来るデジタル・データの強みを上手く利用した、これからのCD-ROMの可能性を一つ示した作品だと思う。
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HYPER MATERIAL
販売元:エディング
価格:8700円
対応機種:HYBRID仕様
●HYPER MATERIAL
Macintoshを使って仕事をするデザイナーやアートディレクター向きの、著作権フリー、クレジットも不要の素材写真200枚を集めたCD-ROM。大理石や小石などの石素材、紙、布を使ったウェーブパターンの写真など、背景やマッピングなどに便利なデータを収録している。それぞれのデータは、640×480の解像度で、8bitと24bitカラーの両方を収録。解像度がやや低いので、プレゼン用の背景や、小さな3DCGのマッピング程度にしか使えないけれど、用途を限定すれば、使い放題の高品質のデータなので便利。ブラウザーも付いているので、好みの画像を探すのも楽だ。
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ハイ!鉄マンです
販売元:テイチク
価格:7,900円
対応機種:HYBRID仕様
●ハイ!鉄マンです
大阪弁をゲームで覚える「大阪弁集中講座」の第二弾が登場した。ボケ・ツッコミ・シミュレーションと名付けられた会話シミュレーションを更に進化させたシステムで、大阪の街を生きることをまるごとゲームにしているのが、この「鉄マン」。鉄マンとは、大阪CITYで発掘されたロボットだが、人語を覚え、人の心に反応して、良いロボットにも悪いロボットにもなると言う。もし、悪いロボットになってしまったら、地球は破壊されてしまう。20日間の鉄マンの生活が地球の運命を決めてしまうという、なんとも大げさなゲームだ。
ゲームは、まず、鉄マンに言葉を覚えさせることから始まる。既にいくつかの日常会話用語は覚えているので、プレイヤーはちょっと特殊な言葉を、リストから選んで9つまで覚えさせることが出来る。もちろん言葉は全て大阪弁。「じゃかあしい」とか「靴なめましょか」とかいう言葉が羅列してある。ここでどんな言葉を覚えさせるかで、その後の展開が違ってくるから、色々考えて選ばなければならばい。もちろん、覚え直すことも出来るから、最初は気楽に好きな言葉を適当にみつくろっておけば大丈夫。
言葉を覚えたら、街に出てみる。大阪CITYには、食べ物屋から風呂屋、ストリップ劇場に至るまで、色んな場所が揃っている。しかし、まずは先立つモノが無いと、ゆっくり遊んでいられない。ということで、バイトを世話してくれる店へ直行。ネズミ退治、居酒屋のウェイター、機械組立て、の三つのバイトから好きなのを選んで稼ごう。どれも、素早いマウス捌きを要求する、結構シビアなバイトだ。
バイトで稼いだら、街をぶらぶらしてみる。店などでは、話しかけられたら、すぐに応答しないと、「けったいな奴」と思われて、ちゃんと相手してもらえない場合があるから注意。ポンポンと小気味よく会話を進めよう。街の人たちは、基本的にみんないい人たちばかりだから、恐がらなくても大丈夫。作り方まで教えてくれるたこ焼き屋とお好み焼き屋、オマケしてくれる上にご飯まで食べさせてくれる八百屋のおばさん、気さくなおまわりさん、みんな気のいい連中だ。
店は開店時間が決まってるから、行動は計画的に。夜は寝なきゃいけないしね。そうやって、街をうろついていると、チョコチョコとイベントがある。逃げたネコを捕まえたり、おじいさんを助けたり。ストリップ劇場では、踊り子のおねーさんに口説かれて、同棲してしまったりする(このおねーさんがいい娘なんだ。別れるときなんて涙が出るよ。そんでヨリ戻したりして)。しかし、狭い街は怖いというか何というか、同棲始めたとたんに、街中の人がそれを知ってて、からかわれたり、うらやましがられたりする。
漫才のオーディションを受けてプロの漫才師になることも出来るらしいのだが、私は何度オーディションを受け手も合格しなかった。相棒を変えたり、話す間を変えたりしてもダメだった。プロの道は厳しい。
そんなこんなで20日が経つと、その時の状況で、様々なエンディングが待っている(らしい)。私は時間がとれずに、結局一つのエンディングしか見ていないが、とりあえず地球は救われたようだ。
それにしても、このゲーム、メチャメチャ面白い生活シミュレーションだ。気が付くと大阪弁を喋ってる自分に気が付くという恐ろしいゲームでもある。人情と、冷たさと、愛が溢れた街、それが大阪CITYだ。
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秘密の動物誌
販売元:TBSサービス
定価:6800円
対応機種:HYBRID仕様
●秘密の動物誌
世の中には、まだ知られていない未知の生物が数多く存在している。このCD-ROMは、ペーター・アーマイゼンハウフェン博士が、1922年頃から1955年に謎の死(遺体は未確認)を遂げるまでに、世界中を旅して発見・収集した未知の生物に関する貴重な資料をまとめたものだ。
博士の資料は、写真、観察記録、デッサンやX線写真、鳴き声の録音テープなどで構成されていて、中には何枚かの写真だけしか残されていない生物もあるが、これまで、僕たちが見たことも聞いたこともなかった生物達の生態を知るのに必要なだけの資料は充分揃っていると言ってよい。
何本もの足があり鳥のような爪を持つ蛇「ソレノグリファ・ポリポディーダ(和名:ダソククサリヘビ)」、半魚人としか言い様のない奇怪な形態の「スカティナ・スカティナ(和名:ニンギョモドキ)」などの、収録されている動物たちは、それぞれ、哺乳爬虫類、腹足類などにきちんと分類整理されている。資料の少ないスカティナ・スカティナなどはその他という扱いになってはいるが、基本的には詳細な観察記録の上でかなり正確に分類されていると見ていい。
かつて、太平洋上のハイアイアイ群島にのみ生息し、核実験によって絶滅した鼻行類のように、いかに知られざる魅力的な生物が数多く存在するかを思い知らされる作品だ。このCD-ROMに収録されているバルセロナ国立自然博物館長ペレ・アルベルクの言葉「『実在するもの』は、存在しうるものの小さな一部分にすぎない」。考えてみると当たり前の言葉だけれど、このCD-ROMを見ていると、本当にそうだな、と思う。一体私たちは何を知っているのかと。
そして、このCD-ROMは、実は、全部作り話なのである。生物の写真や声はもちろん、ペーター・アーマイゼンハウフェン博士の経歴も全てが作られたものなのである。写真やテープなどの持つドキュメンタリー性を逆手に取った、壮大なドラマ、悪く言えばヤラセ。しかし、この生物達には、ウソと分かっていても、思わず惹きつけられる魅力がある。前出の博物館館長の言葉、実在するものは、存在しうるものの一部。そう、存在するものの一部ではなく、「存在しうるもの」なのである。もはや本当にいる、とか、いない、という議論はこのCD-ROMの前では何の意味も持たない。
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北緯43度 アジア新街道18000Km
販売元:北海道新聞社
定価:4300円
対応機種:Macintosh
●北緯43度 アジア新街道18000Km
札幌が位置する、北緯43度。そのラインに沿って地球を一周しよう、という、北海道新聞社の企画のアジア編をまとめたものが、このCD-ROM。クーデター直後のロシアに入国し、極東ロシアから、ゴビ砂漠を抜けて、ヨーロッパとアジアの交点イスタンブールまで、総走行距離約18,000Kmに及ぶ旅の記録が、克明に記されている。旅日記、風俗、自然、環境、言語、政治情勢などのトピックなどが、通過したそれぞれの地点別に、テキスト、写真、ムービーで収録され、ナレーションによる説明も入っている。テレビの同種のドキュメントと比べてもヒケをとらない出来だ。
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