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IronHelix
販売元:NECホームエレクトロニクス(WIN)、BMGビクター(MAC)
定価:8800円(WIN)、9800円(MAC)
対応機種:Windows、Macintosh
●IronHelix
強力な細菌兵器を搭載して訓練中だった、超大型戦艦の制御コンピューターの暴走により、冷戦状態にある星への攻撃命令が発動されてしまう。しかも、その細菌兵器が艦内に漏れだしてしまう。その細菌は、人間のDNA組織を組み替え、細胞を破壊し、新陳代謝の機能を停止させる能力を持っている。そのため、艦長以下スタッフが、コンピューターの攻撃命令を停止させることが出来なくなってしまった。コンピューターは、アクセス権をDNA認識で行っているからだ。そのため、艦内の護衛ロボットも、乗組員を未確認の侵入者として攻撃してくる。仕方なく緊急信号を発する艦長。その信号をキャッチしたのが、科学調査船の艦長(プレーヤー)だ。
艦内に残るDNAの断片を探し出し、それを使ってコンピューターにアクセスし、何とか戦艦を停止させなければならない。しかし、細菌が充満した戦艦へは人間が入ることは出来ない。艦内に、何の防御・攻撃能力も持たない遠隔操作の無人探査船を送り込み、護衛ロボットの攻撃を避けながら、DNAを探さなければならない。
という、なんとまあ、良くできたストーリーだ。うまく作ってるよね。実際のゲームも、艦内をマップとDNAスキャナだけを頼りに、DNAを探し、そこから得られる情報で、ドアを開けたり、ビデオを見たりと、中々忙しい。しかも、護衛ロボットが近づいてくると、コソコソ逃げ回らなければならない。艦内を見るモニターは小さいながらも(というか小さいからこそ)、スムーズに移動するし、艦内の様子も中々リアルに描き込まれている。操作パネルが多少使いにくいし、何か、あまりにマウスだけで操作するということにこだわった作りになっているのは、元がMacintoshだからか。このWindows版では、ほとんどの操作をキーボードでも出来るようにしてあるけれど、そういう問題じゃなくて、画面の見た目が、「マウスで操作するようになってるよ」と主張してるようなのが、せっかくの雰囲気を壊してるんじゃないかとも思うわけだ。マップや、DNAの方向を指すナビゲーターなんかのデザインはいいのにね。
デザインと言えば、DNAを採取するときのグラフィックはいいな。このゲームは全体にそうなんだけど、それぞれの動作や見せ方が、いちいち「いかにも!」という感じで、そこが好みが別れるところかな。ストーリー・ラインにしてもそうだしね。いかにも、ゲームらしい、ゲームのためにあるような、これでもかと言うほどの制限事項をうまいことストーリーに当てはめてる。あっちこっちを飛び回るより、一つの宇宙船の中、というふうにした方がグラフィックも作りやすいし、雰囲気も統一できるとか、シューティングの要素を無くして、艦内を見せるウォークスルーアニメーションは、そこのムービーを呼び出すだけでOKにするとか(このせいで、画面の動きもスムーズだ)、無人探査船を送り込むという設定で、モニタを小さくして、さらにムービーを綺麗に見せるとか、いやまあ、よく考えてる。
Macintosh版では、もうお馴染みというよりも、ほとんど忘れられているようなものだけど、これ、今見ると結構面白い。時代が進んだ分(二年も経ってないけど)、動きは更にスムーズになってるし、操作感も軽快だ。しかも、インストール画面がくだらないアニメーションになってるのもいい。最初ビックリした。Install.exeを起ち上げると、まず16メガバイトのハードディスク容量が必要です、とか言われて、そりゃ凄い、とか思いながらOKすると、出て来たのは、アメリカンなイラストの恐竜とカバンを持ったお兄さん。恐竜がカバンを持った男を完全に食べてしまうとインストール終了です、ときたもんだ。あー、びっくりくりくり、くりっくりっ。登録カードを送らなかったんだって、そのカバンの兄さん。怖いねー。
今更「IRON HELIX」という感じはない。思った以上に古びてはいない。どころか新鮮だったりもする。でも、Macintosh版は古くから出てたんだから、もう少し価格を抑えてもよかったんじゃないかな。ヘンに凝ったパッケージをどうにかするとかね。
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いろんなひとがいる
販売元:マックザウルス
定価:4,017円
対応機種:Macintosh
●いろんなひとがいる
いろんなキャラクターに「好き」か「嫌い」かを言って、その時の反応を見て楽しむソフト。好きと言ったばかりにエンエンと喋り続けられて、嫌いにしとけば良かった、という場合もあったりして、人と付き合うのは難しいね。
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インカ帝国〜黄金郷の復活
販売元:カメオインタラクティブ
定価:9800円
対応機種:Macintosh、Windows
●インカ帝国〜黄金郷の復活
インカ文明伝説をもとにしつつ、インカの残党が未来の宇宙で復活するという創作モノのストーリーを、選ばれし青年エルドラド(どう見ても金粉マンだけど…)がシューティングと謎解きで追って行く。どちらもワリに単調なゲームなのだが、ワンステージごとに進むストーリーと、次々と解き明かされる謎のおかげで、飽きてるヒマはないからオッケーだろう。全体のボリュームはちょっと短めで、やや不満が残るが、ゲームクリア後のエンドタイトルは達成感タップリで、BGMのきちんと楽器を使って録音されたフォルクローレが心憎い。Mac版は日本語版のみ発売という珍しいケースのCD-ROMでもある。
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家なき子
販売元:NECホームエレクトロニクス
定価:8034円
対応機種:Windows、Macintosh
●家なき子
「同情するなら金をくれ!」の名セリフ(いや、ほんと、こういう言葉を笑い話ででも言っていい状況というのは、フリーのライターにとっては、有り難いのでした。『大変でしょう』とか言われる度に、とりあえず言っておけば、誰かがホントに金をくれるかもしんないしさ)でお馴染み、あの国民的大女優と呼ばれた安達祐実主演のテレビドラマ「家なき子」のCD-ROMが出た。ドラマのCD-ROMとしては、「高校教師」「誰にも言えない」に続く三作目だけれど、前二作が、TBS制作によるドラマで、CD-ROMもTBSが作っていた。今回の「家なき子」は日本テレビの制作だ。しかも、TBSの方はMacintosh版、「家なき子」はWindows版だ。
凄いよ、ドラマは。毎回、かつてのスケバン刑事南野陽子を思わせる、安達祐実の啖呵はあるし、主要登場人物はほとんど捕まるか死ぬかだし、血縁関係は絡まってるし、金持ちはブタだ!が基本に流れてるし、ブラックジャックばりの医者まで登場する。ストーリーはほとんどセリフで進行するから、このCD-ROMを見れば、ドラマ見てなくてもOKだ。ビデオよりも時間とらないし、手っ取り早くドラマを知りたいなら、このCD-ROMは便利だと思う。
振り返ればテレビドラマのCD-ROMって、まだ三作しか作られていないのに、何となく雛形が出来上がっちゃった感じがするのは、ちょっと寂しい。シナリオを中心に、ハイライトシーンのムービーとスタッフ・キャストのインタビュー。ロケ地の地図に人物相関図。大体こんなところかな。
この「家なき子」でも、そのパターンを踏襲してるけど、新ネタは、NGシーンの収録とダイジェストムービー(ストーリーを説明するナレーションが入る)くらいかな。あと、MPEG再生のボードが入ってれば、ムービーをMPEGの画面で見ることが出来るようになってる。
収録されているムービーは、基本的に安達祐実の決めセリフの部分だし、NGシーンも安達祐実のが多い。彼女の出てくるシーンでムービーを検索するモードも付いていて、女優安達を堪能できる(うー、たんのうしたー、こわいー)。ドラマを楽しむよりも、彼女を見るためのCD-ROMという感じの作りなんだけど、これは、ドラマ自体もそういう感じなので、ま、忠実なCD-ROM化と呼んでおこう。ファン必携ってやつですか。
それにしても、この「家なき子」CD-ROM、多分この分野の現在の標準だろう「誰にも言えない」と比べてみると、アラが目に付くんだよなあ。まず、シナリオモードでのフォントの汚さが目に付く。縦書きなのは嬉しいけどね。それから、縦書きで右から左へ読むのに、ページめくりは右ボタンで次ページ、左ボタンで前ページへ、という変則的なインターフェイスなのも気になる。しかも、ちっちゃいんだ、ボタンが。すぐマウスがずれて、ボタンを押すのに慎重になんなきゃいけない。これは困る。フォントも細くなったり太くなったりするしね(これは、98で見れば綺麗なのかな?何せ発売はNECホームエレクトロニクスだ)。
ムービーの進行に合わせて、シナリオのページをめくってくれないのも、既に「誰にも言えない」で実現してる機能だけに、残念だ。第一話から第二話へ行ったりするのに、一度シナリオインデックスを呼び出さなければいけないのも不親切だし、データ同士のリンクがほとんど無いのも、せっかくのデジタルメディアなのに寂しい。
何かアラ探しみたいになっちゃったけど、この分野(ドラマのCD-ROM)は、まだまだ伸びる要素があるはずだ。適当な所で落ち着いて欲しくないな、と思ってしまう。まあ、値段を抑えて(「家なき子」「誰にも言えない」共に、二枚組で税込み8034円)沢山のドラマのCD-ROM化というのも面白そうだけどね。
あ、アラ探しついでに、もう一つ。内藤剛志の映画出演作品リストに名作「九月の冗談クラブバンド」が入ってないぞ。主演作なのになー。
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