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MACBETH


販売元:ボイジャー
定価:6500円
対応機種:HYBRID仕様


●MACBETH

シェークスピアのマクベスを凄く真面目に研究したCD-ROMなんだけどね。シナリオ、注釈、研究論文から参考資料、オーソン・ウェルズやクロサワの映画に至るまで、マクベスのことなら何でも分かるんだ。そして、マクベスのカラオケが入ってるんだよーん。君もマクベスを演れる!って。

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MACIN MUSIC


販売元:ワープ
定価:9800円
対応機種:Macintosh


●MACIN MUSIC

マルチメディア・タイトルを制作する人に向けて作られた、著作権フリーの音楽データを多数収録したCD-ROM。収録曲は全部で71曲。ジングル(短いキャッチ的なフレーズ)25曲、フュージョン、ラテン、ハウス、ロック、クラシックの各ジャンルが6曲づつ、アンビエント(環境音楽)系が10曲という内訳になっている。クオリティも、プロのマルチメディア・クリエーターの使用に耐えるものだ。日本語環境にも完全対応している。ちょっとしたディレクターのムービーなどにも、音を入れると結構本格的な感じに仕上がるので、こういうものがあると、かなり本格的なタイトルが作成できるものだ。

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Macromedia Director MOVIE100


販売元:データクラフト
定価:7800円
対応機種:Macintosh


●Macromedia Director MOVIE100

アニメーション作成ツールとして、多くのCD-ROMタイトルもこれで作られてる、Macromedia Directorの解説本とサンプルムービー100本が収められたCD-ROMからなるディレクターお勉強セット。CD-ROMには、ディレクターの体験版も付いて、実際に使ってみることも出来る。ということなんだけど、そのサンプルムービーの面白さがハンパじゃないよ、これ。ロッキンブッダ(ヘンだぞー)、危険なふたり(バカだぞー)、薔薇のふたり(凄いぞー)、スズメバチの巣(キングみたいっしょ)。タイトルだけでもヘンだもん。これは見る価値あるよ。

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Magic Carpet 2


販売元:EAVス
定価:6800円
対応機種:DOS/V


●Magic Carpet 2

ポピュラス、テーマパークなどの、名作シミュレーションゲームを製作したイギリスのソフトハウスBullfrogが満を持して発表したアクション・3Dシューティング・ゲームの続編。キーボードで前後左右を指示し、マウスで上昇下降をコントロールする独特なインターフェイスによりフワフワした飛翔感を実現した空飛ぶ絨毯で世界を飛び回り、両手から発する魔法で敵を倒す。戦略的要素も充実している。

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Magic GAMBO


販売元:サイバーアーツ
定価:4800円
対応機種:Macintosh、Windows


●Magic GAMBO

ガンボのお家をクリックで探検しよう、という子供向きのソフト。ほんとに子供向きで、子供達が何より好きなウンコが、やたらと登場する。お父さんはいつもウンコしてるし、ガンボはウンコ食べるし、ウンチマンというキャラクターも登場。もう子供は大喜びだ。

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MASH(12Stripteases)


販売元:デジタローグ
定価:8800円
対応機種:Macintosh


●MASH(12Stripteases)

「Yellows」の五味彬が、モデルMASH(最近素人ストリップの女王になってるね、この人)を使って撮ったヌードめくりカレンダーのような趣向の写真集。12のスタイルの衣装を、一枚一枚、ストリップのように振りをつけながら脱いでいく様子を連続写真で見せていく。ジュリアナとか、バービーとか、花魁などの格好からそれに合わせた振りで次々と脱いでいき、最後はカツラもとって、正にスッポンポンになる。見てると、何だか昆虫の脱皮みたいだ。この作品から、五味彬はデジタルスチルカメラによる撮影を始めているので、デジタル・トゥ・デジタルでCD-ROMも作られている。デジタローグ過渡期の怪作だ。

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MEGA ROCK RAP'N'ROLL


販売元:Paramount Interactive
定価:輸入盤
対応機種:Macintosh


●MEGA ROCK RAP'N'ROLL

楽器の弾けない人も、MIDIを持ってない人も、このCD-ROM一枚あれば、Macintoshで音楽の演奏が楽しめるというソフト。まずブルースとか、カントリーとかの、ジャンルを決め、プリセットされたバッキングパートから、好きなフレーズを選び並べる。あとは、スタートさせれば、バッキングが始まるから、それに合わせて、マウスで画面上のボタンやパッドを叩いたり、キーボードを適当に叩いたりすれば、結構カッコいい演奏が楽しめる。自分の演奏を録音したり、好きな音を取り込んで演奏中に鳴らしたりすることも出来る。音楽オモチャとして、長く遊べる一枚。

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Memories


販売元:データウェスト
定価:12800円
対応機種:Towns、98、Macintosh


●Memories

CD-ROMのゲーム、特にインタラクティブ・ムービーと呼ばれる類のものには、何故か精神世界を扱うストーリーのものが多い。「GADGET」もそうだし、最近出た「AngelGate」もそうだ。そして、この「サイキックディテクティヴ・シリーズ」は、そのものズバリ、他人の心の中に入り込んで(ゲーム中ではサイコダイヴと呼ばれている)治療するのが仕事の男が主人公だ。そういえば、夢枕獏の小説にサイコダイバー・シリーズというのがあったな、関係ないけど。
 このシリーズはかつてFM-TOWNS用として出されていたもののリメイク版。最初に発売されたのが89年ということもあり、今回、絵の描き直しやアニメーション、音声等を追加して、様々なプラットフォーム向けに発売されることになった。Macintosh版が発売されるのは二作目から五作目までの四枚。今回取り上げるのはシリーズ二作目にあたる「MEMORIES」だ。

 ゲームは、いきなり主人公、降八木和哉は恋人森崎梨絵香に別れを告げられる。傷心のままボンヤリしている降八木のもとに、一人の少女が現れ、「父の記憶を消してください」と依頼するところから始まる。主人公の降八木は、元A級のサイコアナリスト。人の心の中に侵入して心理治療を行う仕事をしていた。ある女性を失ったことで、サイコアナリストを辞め現在はその能力を生かした探偵をしている、というのが、このゲームの設定だ。
 降八木が少女の依頼を断った数日後、少女の父親であり高名な心理学者である後藤彰太郎の訪問を受ける。娘は心を冒されている。それを治して欲しいという依頼だ。とりあえず後藤の家へ赴く降八木は、そこで薬を飲まされ気絶している間に、何者かの心の中に放り込まれてしまう。さらに、その心には何人ものサイコアナリストが侵入もしくは降八木と同じく放り込まれていた。というふうにストーリーは続いていく。

 ゲームは、コマンド選択式のアドベンチャーゲームで、ストーリーは一直線に進んでいく。ゲームを楽しむというより、ストーリーを味わうスタイルの作品だ。FM-TOWNSからの移植のせいか、インターフェイスはあまりMacintoshらしくなく、最初ちょっと戸惑うけれど、プレイヤーが操作する部分が少ないため、慣れると気にならない。見る、聞く、思考する、移動する、などのボタンを押して、その時々にあった行動を選択していくだけだ。それほど難しい部分もなくビデオを見るようにスムーズに展開していく。実写による動画は無いが、アニメーションはかなりの再生速度だし、アクセスで待たされることもほとんどない。このへんは、独自の動画システムDAPSの威力だろう。
 かつて、まだQuickTimeも無かったころ、FM-TOWNS上で動いているアニメーションのゲームを見て、「パソコンにはこんなゲームがあるのか」と感動した。それはまだ、僕がパソコンなんてどういうものかさえ知らなかった頃のことだ。その時に見たのが、この「サイキックディテクティヴ・シリーズ」だった。当時何も知らない僕は、「Townsって凄いコンピューターなんだ」と思ったことを覚えている。
 実際、その後Macintoshを購入したが、初期のQuickTimeやディレクターによるアニメーションは、かつてTownsで見たものより数段劣っているように見えた。しかし、色々とパソコンの知識が増えていくと、実はハードが凄いのではなく、それを実現するソフトが凄いのだ、ということが分かってきた。サイキックディテクティヴのシリーズは、動画や音声、文字等を同時に扱ったインタラクティヴな作品を作るためのDAPSという、独自のシステムが使われていることも知った。DAPSは、当時の低スペックなTowns上でスムーズなアニメーションを実現したシステムで、マシンパワーが低くても動画が楽しめるように考えられている。今回のMacintosh版を見ても、表示画面こそ小さいけれど、そのスピードと操作のストレスの無さは凄い。この「Memories」のような、ゲーム性よりストーリー展開を重視したタイトルには、こういう軽快な動作が何よりも大切だ。シーンが変わるごとに待たされていたら、とてもじゃないけど、先に進む気がなくなるもんね。

 ほんとにポンポンと話は進み、後半はほとんど何もすることがなくなって、プレーヤーはただ見てるだけの状態になる。だからストーリーに対する好みが、そのままこのゲームを楽しめるかどうかを決めてしまう。ストーリーは多少強引な点もあるけれど、簡単にはネタバレしないように、しかも複雑にならないように作られていて、CD-ROM上のドラマとしてはマトモな方だと思う。タイトルの「Memories」が、ちゃんと事件全体の鍵になってるのもいい。ディテクティヴと銘打ってるわりに、全然謎解きが無いのは不満だけどね。
 CD-ROMのゲームって、グラフィックにばかり凝ってドラマがお粗末なのが多いから、こういうドラマに重点を置いたのが出てくるのはいいことだと思う。ただ、ほんとにゲームとしては簡単過ぎて、そういう興味で見るとツマンナイと思うから要注意。

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Moments Of Truth


販売元:オープンブック
定価:4800円
対応機種:Macintosh


●Moments Of Truth

1985年8月12日に起こった日航機123便の墜落事故。当時雑誌Focusのカメラマンであった小平尚典氏が、御巣鷹山中の事故現場で撮影した記録写真を、取材状況を語るナレーションと併せて、時間の経過通りにスライドショーにしたのが、このCD-ROMだ。俳優江守徹氏のナレーションに沿って、モノクロの生々しい事故現場の写真が次々と表示されていく。
 このスライドショーの部分は、全てカメラマン小平氏の視点、つまりあの事故が発生した時、地上にいたものの視点で見た、既に事故の終わった後の光景だ。そして、このCD-ROMには、その時空中にいたものの視点として、123便のボイスレコーダーに録音された内容も収録している。飛行機の出発から、その進路をグラフィックで表示しながら、リアルタイムでボイスレコーダーの画面が表示されていく。しかも、ボイスレコーダーの内容はテキストで表示されていくが、その中の音の部分、例えば機内電話の呼び出し音や失速警報音、火災警報音などは、実際に飛行機で使われている音をサンプリングして付加してある。事故現場の写真以上に生々しい印象を見るものに与えるこの資料を、こういう、よりその時の状況が分かりやすい演出で見せるということに、一体どんな意味があるんだろう、と思ってしまうほど、その印象は強烈だ。
 こういう見せ方というのは、正にCD-ROMでしか出来ないものなのだろうし、ドキュメントの持つ力にも圧倒される。記録として残しておくべきものとは、思うけれど、それにしても、このCD-ROMはよく出来すぎていて救いが無い。容量は90メガバイト程度で、そこにあるデータ量自体はそれほど多くはないのだけれど、そこに詰まっている記録は、目を背けることは決して出来ないものだけに、辛い。
 実際、このCD-ROMについて、何を書けばいいのだろう、と思う。これは事実の記録です、と言われてしまえば、事故当時の報道などを思い出しながら、その惨状に思いを馳せるくらいしか、僕には出来ない。そして、一度見始めると、途中で止めることは出来なくなってしまう。そういう力を、悲惨な事故の記録は常に持ってしまう。
 このようなCD-ROMが、CD-ROMとして水準以上の出来になっていることは、喜ぶべきことなのだろうか。

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MURMURS OF EARTH


販売元:ワーナーミュージックジャパン
定価:10000円
対応機種:Macintosh


●MURMURS OF EARTH

ボイジャー・レコードという、金メッキされた銅製のレコードが、惑星探査機ボイジャーに積み込まれている。これは、地球の全てが塵になり、人類が絶滅したとしても、地球の歴史を保存し、誰かに向かって語り続けるために作られ、搭載されたレコードだ。その内容を、CD-ROMに焼き直したのが、この「MURMURS OF EARTH」。地球の歴史の記録でもある音と映像を、地球にいながら、見ることが出来る。ボイジャー・レコードの目的や、その内容を綴った300ページの小冊子「地球のささやき」と、カール・セーガンらによるエッセイもバンドルされている。

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Musical Instruments


販売元:マイクロソフトホーム
定価:
対応機種:Macintosh、Windows


●Musical Instruments

MicrosoftHOMEのデータベースCD-ROMは、どれもこれも、やたらと良く出来ている。データそのものの充実度はもとより、データ間のリンクや、画像とテキスト、動画などの過不足無い配置具合や、分かりやすく統一されたインターフェイスなど、言うこと無い出来で、好みのジャンルのデータベースCD-ROMがMicrosoftHOMEから出ていれば、買って絶対に間違いはない、というくらいのものだ。ま、中には「CINEMANIA」を見て、ムービーが少なくてツマラナイと言った人もいるが、そもそもそういう人はデータベースとして使うことを考えていないのだと思う。動画なんて、注釈程度に入っていれば充分。肝心なのは、知りたい映画が全て入ってること、スタッフ・キャストなどのデータが充実していること、フィルムやビデオの所在を明らかにすること、それが映画のデータベースを利用する人にとっては有り難い。ただ、唯一のネックは、そのほとんどが英語版であるということだが、最近、少しづつ日本語化も始まっている。「Musical Instruments」も、ついに待望の日本語版が登場した。
 「Musical Instruments」には、動画データは一切入っていない。そのかわり、楽器のデータベースとして、サウンドデータは、これでもかという程収録されている。演奏シーンの動画を入れるというアイディアもあるとは思うが、そんなもので容量を食うくらいなら、その分、一つでも多くの楽器の音を収録した方が目的に沿う。こういうデータの取捨選択具合が、MicrosoftHOMEの作品は本当に優れている。例えば、エレクトリックベースギターの項目がある。楽器のデータベースなのだから、当然だろう。所がさらに、スタインバーガーのエレキベースも別の楽器としてちゃんと取り上げられているのだ。確かに形状も音質も、普通のエレキベースとは随分違う。バンドをやってる人間に言わせれば、別の楽器である。でも、同じベースギターとして使うことも出来るし、あくまでもベースギターのアレンジである。そんな細かい部分まで項目を立てて、しかも演奏の音データまで収録してある。一見ムダのようだが、データベースに求めるのは、こういうきめの細かさだ。アコーディオンにしても、鍵盤タイプとボタンタイプでは、その形状の違いにより、音色にはたいして違いはないけれど、演奏パターンは随分違ってくる。そういう部分を、きちんと汲み上げて収録してあると、いざ、自分がアコーディオンを買いにいく際にも、自分がやりたい音楽は、どのタイプのアコーディオンが良いのか見当を付けることが出来るわけだ(でも、このソフトにはバンドネオンという項目は無かったな)。
 しかし、ホント感心するほどに、データは充実している。サンプラーなんて楽器なのか何なのかよく分からないけど、ここに収録してあるから楽器なのであろう。アフリカや日本の楽器も、普通にヨーロッパの楽器と同じように扱われている。とりたててワールドミュージックなんて妙なくくり方をせずに、全ての楽器を、同じように扱う姿勢は、データベースとして正しい。三味線も二胡もバイオリンも、弦楽器として一括りだ。特殊な楽器なんて無い。全ては、楽器という名において平等に扱われている。
 一覧では、楽器の音を、更に詳細表示では演奏例を、そして楽器によっては、アンサンブルの中でどのように使われるかの具体例までサウンドデータで収録されている。実際、チューバの単音演奏を聴いても、その楽器がどのような役割を果たすのかが分からない。楽器は、単独で使えるものもあれば、アンサンブルでしか使えないものもある。そういう部分をきちんと聴かせてくれる配慮は、この手のデータベースで何より大事なことだ。エレキギターの項目なんて、ヘビメタ、ロック、ファンク、ポップスのそれぞれで聴くことが出来る。更に、細かい技法、例えばエレキギターならチョーキングやスライド奏法、更にエフェクター別の音色まで入っている。ほとんど偏執狂に近い細かさだが、データベースなんて、そのくらいしておかないと使い道は無いも同じだ。もちろん、テキスト部分も、メインの画面による楽器の解説、パーツの拡大図とその部分の解説、更に豆辞典という形で特徴や名称、サイズや起源などをまとめてあり、必要な情報を必要なだけ知ることが出来るようになっている。
 検索は、五十音別、キーワードによる直接表示、地図による国別表示、楽器の種類別(木管、金管、鍵盤、弦楽器、打楽器)の四種類。目的の楽器があって検索するのも、弦楽器の仲間だと思うんだけど、あの楽器って何て名前だろう、という感じで探すのも、ワールドミュージックっぽい楽器で面白いのないかな、という感じで探すのも自由自在。さらに、楽器のデータから、仲間の楽器一覧に飛べたり、今まで見たデータを遡ったりも出来るから、ハイパーテキスト的に、楽器の間を飛び回ることが出来る。何故かスライドショーまで付いている(これどう使うんだろう)。
 オマケ的に、アンサンブルという項目があり、そこでは、ロックバンド、ジャズバンド、室内楽、ガムラン、オーケストラなどの楽器編成や、実際の演奏を聴くことが出来る。もちろん、楽器編成から直接その楽器のデータに飛ぶことも可能だ。ここがまた、ロックバンドなら、ヘビメタ、ソフトロック、ロックンロール、ポップとそれぞれのバンド偏性の具体例が挙げられている。もう、参りましたとしか言えない。この際、テクノバンドとか、ギターレスバンドとかが無いなんて細かいことはどうでもいい。ガムランの楽器構成や、ジャワとバリでの違いまで入れてくれているんだもん。
 しかし、これだけケチの付けようのない作品も珍しい。何か腹立ってくるほどだ。ともあれ、この作品が日本語化され身近になったことを素直に喜びつつ、欲しい楽器を物色しよう。

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MYST


販売元:インタープログ
定価:12800円
対応機種:Macintosh、Windows、Saturn、Playstation、3DO


●MYST

マンホール、コズミック・オズモ、スペランクス等の、大人から子どもまで幅広く楽しめる作品を手がけてきたミラー兄弟の会心作。全編3DCGを使った美しい風景の中、小さな島での事件に巻き込まれたプレーヤーが、そこここに散りばめられたヒントを手がかりに、パズルを解いていく。画面のあちこちには仕掛けも沢山あって、この世界を探索してるだけでも充分に楽しめる。兄弟のいがみあいを中心に、人が一人もいなくなってしまった世界の謎を解いていく過程は、スリリングだ。ディズニーとの契約も決まったという、現代CD-ROMエンターテイメントのスタンダード。

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マイトベイビー


販売元:ソニーミュージックエンタテインメント
定価:9800円
対応機種:Macintosh


●マイトベイビー

アイドル山瀬まみをフューチャーした、音楽CD-ROMのさきがけ的作品。彼女の当時の新譜「マイトベイビー」を素材に、プロモーションビデオ風のディレクタームービーや、彼女自身によるエッセイの朗読、彼女と遊ぶゲームやクイズなどを収録。もちろん、歌も歌詞カード付きで収録されている。別に力作というのではないけれど、シンプルな構成と、結構ていねいに作られているムービーは、全体によくまとまっていて、小品佳作といった印象を受ける。インタラクティビティを考えた、新しいアイドルプロモーションの方向性が見えるが、追随するものが無いのが残念。

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マンホール二ヵ国語版


販売元:バンダイビジュアル
定価:12800円
対応機種:Macintosh


●マンホール二ヵ国語版

ファンタジックな世界を探訪する、ミラー兄弟の初期作品、マンホールのリメイク・カラーバージョンが、日本語吹き替えの二ヵ国語対応版になった。声優の数を絞って、いくつもの役を一人の人が兼任しているので、お話を読んで聞かせてもらっている雰囲気もある。字幕、声ともに日本語化されているので、子どもだけでも楽しく遊べるようになった。キャラクターが魅力的な作品なので、言葉がつくとより一層楽しめる。英語との完全二ヵ国語版なので、オリジナルの雰囲気を味わいたい人でもOK。二ヵ国語版だけのオマケもついているので、お得だ。

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ミステリーデートスポット40


販売元:アポロンクリエイト
定価:9800円
対応機種:HYBRID仕様


●ミステリーデートスポット40

日本全国40箇所のミステリースポットというか心霊スポットというか、早い話が何か出るという噂の土地を紹介するという、まるで、ネタのつきた夏の昼間のテレビの特番のようなCD-ROM。何故デートスポットなのかは、謎である。ミステリーである。有名どころの、「髪が伸び続ける人形」や「平将門塚」などから、あんまり聞いたことがないような所まで、詳細な地図付きで紹介されている。寄り道して御祓いを受けることも出来る。案外実用的なのだけれど、ちょっと収録データが少ないかな。お値段もちょっと高め。でも、持ってると嬉しい、そんなCD-ROMでもある。

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ミンスキー/ソサエティ・オブ・マインド


販売元:ボイジャー
定価:6500円
対応機種:Macintosh


●ミンスキー/ソサエティ・オブ・マインド

コンピュータ界の長老、人工知能の第一人者マービン・ミンスキーが1985年に書いた書籍「ソサエティ・オブ・マインド(心の社会)」を、ボイジャー社が得意のエキスパンド・ブックに仕立てCD-ROM化したものだ。この本は、人工知能の研究に当たって、まず、実際の人間がどのように物を知覚し、どのように考え、行動しているかを知らなければならない、という所から出発したもの。小さな考えが、それぞれ密接に関わり合って一つの考えになる、というような理論を説明するのに、ハイパーテキスト的なエキスパンドブックは比較的効果的なメディアかもしれない。

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メイキング・ミュージック


販売元:ボイジャー
定価:5500円
対応機種:Macintosh


●メイキング・ミュージック

誰でも遊べる音楽ソフトというのは結構いっぱいあって、どれもそれなりに工夫がしてあって楽しい。それは、基本的には、フレーズや音の断片があらかじめ用意されていて、伴奏に合わせて適当にキーボードを叩けば、音やフレーズが演奏されて、ちょっとしたセッション気分が味わえる、というスタイルになっている。それはそれで楽しいのだけれど、結構飽きる。お仕着せのフレーズをリズムに合わせて演奏するだけでは、だんだん音楽で遊んでいるという気がしなくなって来る。もうちょっと、本格的に音楽が楽しめるソフトはないかな?と探してみる。すると今度は、一気にシーケンスソフトなどの、かなりの音楽の知識が必要なものばかりになってしまう。早い話、音楽で遊ぶためには、いくつかの基礎をちゃんとお勉強しないと、すぐに行き詰まってしまう、ということである。ある程度は楽譜が読める、キーやコードの概念を知る、曲を構成する要素を知る、リズムの表し方を覚える、音階を知る、ざっと上げても、この程度の勉強をしなければ、どうしても先に行けなくなってしまうのが音楽なのだ。だから、音楽ソフトにも、全然勉強をしなくても使えるものと、そこそこの音楽知識を前提にしたものの二つの流れにキッパリと分かれる。本を読むためには言葉を学習しなければならないように、音楽で遊ぶのにも音楽を学習しなければならない。
 テクノじーさんモートン・サボトニックによる、このCD-ROMは、そんな、ちょっと難しい音楽の勉強と自分で曲を作る楽しさを一つにまとめた、子供向け作曲ソフトだ。楽典を教えるのではなく、とにかく音楽で遊ぶことで、より高度に遊ぶための基礎を子供の内に身につけてしまおう、という狙いのようだ。中心になっているのは、絵を描くようにして作曲が出来るパート。パレットから選ぶ色が音色であり、鉛筆で引く線がそのままメロディーやリズムになる。さらに、スケール(長調、単調、五音階、半音階、全音階の中から選ぶ)やテンポを選び、部分的なカット&ペーストをしたりも出来る。そうやって出来た音楽は、何というか、ちょっと現代音楽くさいんだけど、ちゃんと曲になっている。山になってれば音は上がって下がるし、下り坂になってれば、音は下がる。まっすぐ引けば同じ音が鳴りっぱなしだ。細かい旋律はムリだが、何となく「こんな感じ」という程度なら、すぐに作曲出来るのだ。
 他にも、メロディを電線に止まる雀、リズムを卵とそこから孵った雛に模して、リズムとメロディの組み合わせを覚えたり、そこで短いフレーズを作ってみたりも出来る。また、曲を導入、中間、エンディングの大きな三つのパートにわけて、それを動物の頭、身体、お尻に振り分けることで、音楽の構成要素を表現し、違う動物の胴とお尻とかを組み替えて別の曲を作る遊びも入っている。これは音楽の構造や繰り返しのパターンなどを覚えるのに最適だ。さらに、作った曲をメロディー、リズム、音色の三つのパートに分解し、洋服を着せ替える感覚で、同じメロディーに違うリズムにすると、どれだけ感じが違うか、のような、アレンジ的な学習も出来る。もう至れり尽くせりである。中途半端な知識が邪魔になるほど、何も知らない人が遊べるように作られている。そして知らず知らずに、音楽で最も重要な学習を済ませることが出来る。ただ、このソフトはあくまでも、音楽を学習し、音楽で遊ぶソフトとして作られているから、音楽的なセンスや、ポップス的なノリなどは教えてもらえない。サボトニック先生、さすがに現代音楽の人だけあって、結構アカデミックなのである。センスは他で磨こうね。

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もりへいこうよ


販売元:マルス
定価:11800円
対応機種:Macintosh


●もりへいこうよ

幼稚園生から小学校1年生くらいまでを対象にした、これから勉強をはじめようとする子供たちの準備のためのCD-ROM。主人公ビリー・ベアと森へ出かけていき、10問のクイズに答えながら、お母さんが待つお家に帰ってくるというストーリー。問題は、間違い探しや、数当てのようなもので、有名小学校の入試レベルで作ってある。音声を英語に出来たり、子どもだけで遊べるように、ボタンはページめくりと、終了だけのインターフェイスにしてあったりと、きちんと作られた印象を受ける作品だ。親しみやすいナレーションで、子どもがスムーズに遊べると思う。

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水枕


販売元:
定価:
対応機種:Macintosh


●水枕

ペインティング、CG、映像、グラフィックなど、様々なメディアを駆使するアーティスト寺門孝之による、映像詩風のCD-ROM。もともとは、ハイビジョンで作られた同名のVTR作品を、インタラクティブ・バージョンとしてリリースした。イメージとしての「水」を基調に、ゆめうつつの狭間の世界の、遠い記憶の彼方にある風景をビジュアル化しようと試みた作品。「橋」「珠」「石」の三部作として構成されている。画面の中のあるポイントをクリックすることで情景が展開するという構成はCD-ROMとしては普通だが、アート性がやけに高いところが異質の作品。

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美瑛・富良野


販売元:シンフォレスト
定価:3980円
対応機種:HYBRID仕様


●美瑛・富良野

北海道の雄大な自然を、美しい写真とサウンドで感じることのできる、BGVならぬ、バック・グラウンドCD-ROM、BG-ROMともいえる作品。部屋に居ながらにして、北海道の空気を、大地を、肌で感じることができる。北海道美唄市に生まれ、現旭川在住の写真家、高橋真澄氏による、北海道の原風景的な写真が32000色のデータで収録され、フル画面で見ることができる。また、春夏秋冬を選んで再生するフォーシーズン・モードもあり、季節にあった作品を眺めるのも楽しい。BGMは、「北の国から」など、全五曲をCD-DAフォーマットで収録している。

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文字の力


販売元:F2
定価:5800円
対応機種:HYBRID仕様


●文字の力

例えば、ここに同じ大きさの長方形が三つある。それぞれを赤、青、黄の三色に塗り分けて、画用紙の上に、青の長方形を縦にして置き、黄色を横、ちょっと離して赤を少し細長くして縦に置く。あとは位置や重なりを調節して、重なった部分をそれぞれの混合色にする。もしくは、どちらの色が上にあるのかを決める。はい、現代美術の出来上がり。それが美しいかどうかは、あなたのセンス次第。
 アヴァンギャルドって、何か難解の代名詞みたいに言われてるけど、実はそうじゃない。前衛って難しいってことじゃない。前という字にも、衛って字にも、難しいって意味は無い。アヴァンギャルドは、表現における姿勢に関する言葉だ。
 この平野甲賀氏の仕事を集めたCD-ROMは、その全てが平野氏らしいアヴァンギャルドなデザインで統一されている。例えばインデックス画面。そこに赤い四角が三つ並んでいる。四角を組み合わせたら現代アートっていうのは、冒頭に書いたけど、このインデックス画面を、アヴァンギャルドとか、アートとか、難解と思う人はいないだろう。それぞれに「仕事」「文書」「質問」と書いてあって、それをクリックしたら、そこに書いてある種類のデータを見ることが出来る、というのは誰にでもすぐ分かる。しかも、パッと見た目も、ここで何かを主張してるんですよ、という感じではない。それでも、その構成要素は、バウハウスなんかのそれである。
 デザイナー平野甲賀氏の最大の魅力はそこだと思う。平野氏の仕事は、本屋に行けばいくらでも見ることが出来る。僕の本棚にも何冊も氏の手による装丁の本が並んでいる。そのラインアップも、椎名誠、小林信彦、木下順二と、エンターテイメントの作家が並ぶ。小林信彦の「超人探偵」なんて、お笑い小説でもある。そして、平野氏のデザインは、相変わらず同じ、ゴシックの書体を派手に踊らせてタイトルを大きく見せるものだ。美しい。
 このCD-ROMでまとめて彼の仕事を見ていると、この作品のタイトルにもなっている「文字の力」を感じる。文字そのものが、何かの力を持ってデザインされている。その文字が集まって言葉になる。平野氏のデザインは、文字の力を、言葉の力を、ストレートに視覚に訴えることを目的として作られているようだ。だから文字が踊っている。線を極端に減らし、それが文字としての形を成すかどうかのギリギリの線で止める。これが読めない文字になってしまったら、ただの難解アート。一つ一つ冷静に見ていくと、ほとんど元の文字の形を成していないにも関わらず読めてしまうところに、平野氏のアヴァンギャルドがあるのだと思う。
 さらに、このCD-ROMで凄いのは、そのインターフェイスだ。世界初のレイヤー構造を持つデータベース、と宣伝に書いてあるのだけれど、聞いただけでは全然ピンと来ない。見ると一目瞭然。つまりデータがそれぞれに重なり合って透かし模様のように下のデータも見えるようになっているのだ。これは実はデータベースではないのではないか。既成のデータベースは、例えそれがマルチウィンドウによるデータの並列表示が可能だったとしても、それぞれのデータは、ページ単位で表示される。だから、マルチウィンドウズの場合でもコントロールのための操作パネルがある。このCD-ROMの構造は、シングルウィンドウ上で、ひたすら透明なシートのように、データが積み重なっていく。下のデータをきちんと見たければ、それを表に引っ張ってくる。この構成はデータベースよりも本に近い。しかも透明不透明をコントロール出来るモニター上だからこそ可能になった新しい本だ。だから、このCD-ROMに検索機能はない。
 データを選択した時に、赤い丸の出来損ないみたいなのが、選択したデータ名の上にチョコンと現れ、ピョコピョコと走っていく。ちょっとした遊びだけれど、妙に楽しい。これをアートっぽく見せず、楽しく見せてしまうあたりも、平野氏のデザインの魅力だ。バウハウス系を指向しながらも、暖かい力強さを感じさせる。このCD-ROMでバックに流れる音楽も、モダンジャズ、ジンタといった、懐かしく暖かい音楽だ。トータルで彼の世界を表現した作品集。何て気持ちいい文字のダンス。クレジットタイトルでかかる「第十七捕虜収容所」のテーマソングのジンタ・バージョンは泣ける。



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