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U.S. AIR FORCE
販売元:オールウェイズ
定価:4980円
対応機種:Macintosh
●U.S. AIR FORCE
米国防省が、正規に公開した最新鋭の、米空軍の主戦力に関するビデオ映像を集めたCD-ROM。戦略戦闘機F117Aスティルスをはじめとする最新鋭戦闘機の数々、ヘリコプター、巡航ミサイル、爆撃演習シーンなどが、全てQuickTimeムービーで収録されている。すでにその資料は最新鋭ではなくなっているとはいえ、その迫力は大変な物。こんなちっこい画面ではなく、ビデオで見たいところだけれど、こうやってMacでCD-ROMから見ていると、本当の極秘情報を見ているような臨場感があって、それも捨てがたい。見たいシーンを素早く再生するブラウザー付き。
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UFOs ARE REAL 第一弾 米軍秘密情報編
販売元:ウェップシステム
定価:9800円
対応機種:Macintosh
●UFOs ARE REAL 第一弾 米軍秘密情報編
UFOを信じるか?とかいう問いかけが昔流行ったけど、あれってヘンだ。UFOって信じたり裏切ったりするもんかー?ちょっと直して、UFOの存在を信じるか?というのもあるけど、これもなー。あるかないかの話が、何故信じる信じないになるんだろうと思う。信じない人は目の前に出て来たって信じないだろうし、信じる人は勝手に信じるだろうしね。そんなのUFOに限った話ではない。そういえば「猪木を信じよ!」ってコピーもあったなあ。信じても信じなくても裏切るのが猪木だけどね。で、UFOなんだけど、UFOを見たか?と問われれば、何度も見てると、私は答える。未確認の飛行物体なら、何度も見てる。だって俺近眼だもーん。空飛んでるのなんていちいち確認出来やしねえ。ま、いたらいたで面白いから、いてもいいし、別にいなくてもいいしってのが本当のところだろう。何故かイナカにばっか出てくる習性があるらしいのが困ったもんだよな。
このCD-ROMは、そういうUFOの謎を追う資料を満載したものだ。何せタイトルが凄いよね、「UFOs
ARE REAL 第一弾 米軍秘密情報編」っていうんだもん。米軍は密かにUFOに関する極秘情報を入手しながら隠しているってやつだ。今やローマ教会だってUFOの存在を受け入れてキリスト教の教義と矛盾しないように調整してるという凄い時代だ。いくつか、そういう一般に流れない情報があっても不思議じゃないけどね。
しかし、このCD-ROM、つまらないわけじゃ決してないけど、見てると何かムカムカする。実際、この種のキワモノCD-ROMとしては、ガンバって作ってるとは思うんだ。「UFOのタイプ別分類」の項では、3DCGで描いたUFOをぐるぐる動かして見せてくれた上に、その形のUFO、例えばアダムスキー型ならアダムスキー型の記録写真や目撃写真を並べて見せてくれる。「歴史的事件」の項では、UFO関連の年表から、その事例の詳しい説明や、その事件に関する資料のスキャンニング映像を引っぱり出せるようになっっている。「米軍機密プロジェクト」の項に至っては、米軍が行った、もしくは行ったとされるUFO関連のプロジェクトを、なんとその書類のスキャンニング画像を含めて見せてくれるという恐ろしいもの。大体、そのフーバーのサインなんかが入った書類、どこでどうやって手に入れたんだろう。そっちの方が不思議だぞ。でも、妙な説得力はある。「最新未公開映像」の項は、最新のUFOの目撃映像をムービーで見せてくれる。解説のナレーション(日本語)も入ってなかなか親切。それっぽい音楽も入って、下手なUFO関係のテレビ特番よりも楽しめるし、説得力もある。主観が入らない(まあ、そういうことにしとこうじゃないの)データの羅列のみで構成されているので、ずーっと見ていくと、報告書とか証言だけで構成されたミステリ(いくつかあったと思うけど思い出せないなあ、キングの「キャリー」とか有吉佐和子の「悪女について」とかがそういう構成だったよね)を読んでるみたいで結構盛り上がるんだけど、うーん、結局解決編のないミステリだからなあ、そりゃイライラするのもムリ無いでしょ。
最後に問題集がついてて、これに全問正解すれば、アッと驚く映像が見られる。問題って、何かUFOを見る人かどうかの判定かな、とか思ってドキドキしてたら、単に、このCD-ROMに入っている情報を覚えたかどうかを試す、本当に試験みたいなもんなんだよな。これは無いだろう。どうして、そんな問題を解かないと映像見せてくんないの?って感じ。CD-ROMの中に答えが全部入ってるんだから、それを脳に覚えさせる意味なんてないじゃない。くそー、タダでさえ記憶力が無いのに、こんな所に大事ななけなしの脳を使ってたまるか。問題がまた、難しいし。くすん。
それにしても分からないのは、どうしてUFOって何だか分からないのに「戦慄の」とかいう言葉がくっついちゃうんだろうか?あれってやっぱり何か怖いものなのかな?
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Under A Killing Moon
販売元:ACCESS SOFTWARE Inc.
定価:輸入盤
対応機種:DOS/V
●Under A Killing Moon
一口に探偵といっても、色んな種類があるもんだ。普通英語でDitective(こういう名前のバンドがあったなあ、好きだった)が探偵だけど、これは、大手の探偵社なんかにいる人を指すことが多い。対して、Private
Eye(松村雄策の名曲に同タイトルのがあるなあ、好きだった)というのも探偵だが、こっちは覗き野郎みたいな感じで、でも、普通ハードボイルド小説に出てくるのはこっちだ。フィリップ・マーローとかね。
この「Under A Killing Moon」の主人公、テックス・マーフィーも、Private
Eyeと呼ばれ、嫌がられている。Private investigator、通称P.I.が正しい職業名だけど、ゲーム開始早々いきなり、クレジット・カードはなくしてるし、FAXは壊れてるし、女房には、目の前で浮気されて逃げられるしと、結構情けない。マニュアルによると、このキャラクターのモデルは、映画「マルタの鷹」のサム・スペード、「カサブランカ」のリック・ブレイン、そして「ピンクパンサー」のクルーゾー警部ということらしい。ま、あとつけ加えるなら、「俺はハマーだ」のスレッジ・ハマーとか、「三つ数えろ」のマーローとか、「危いことなら銭になる」のガラスのジョーって感じかな。
そもそも、この作品、舞台設定は、2042年、第三次世界大戦後のアメリカ、つまり未来のお話であるにもかかわらず、マーフィーのスタイルはおきまりのよれたトレンチコートで、タバコはラッキー・ストライク、喋る口調も「俺が必要なら、いつでも口笛を吹いてくれ」的な、そりゃもうクサいハードボイルドの探偵さんなのだ。しかも、その彼が守っている町ミーン・ストリートのチャンドラー・アベニュー(何て恥ずかしいネーミングだっ)がまたその名の通り、スタンドで雑誌を売っている綺麗で気のいいおねーさん、質屋をやっている頑固ジジイ、けたたましいピザ屋のおばさんに、顔は怖いがチョコレートケーキが絶品のレストランのおやっさんと、基本を押さえた下町探偵局な町だ。
しかし、町外れのは放射能汚染地帯のマークが貼られ、雑誌売りの美女もミュータントという突然変異種だ。レストランのおやじもそうだ。鼻が象になってる人もいる(彼は美容整形の優待券をあげると何でも喋ってくれる)。そしてストーリーは、マーフィーが、町の些細な事件を思いっきり1930年代のB級映画風に捜査しつつ、最後には宇宙にまで行ってしまうという壮大な展開を見せるのだ。まるでハメットがSFを書いたみたいだな。でも、そのSFチックな部分がまた、まるでロジャー・コーマンの映画みたいな、いかにもプログラム・ピクチャーにありそうな話になってるところが、徹底してるというか何というか、好きだなあ、こういうの。しかもCD-ROM4枚組の超大作。音楽CDでさえ4枚組はツライというのに。あのバッハの「マタイ受難曲」だって3枚組だよ。映画でいえば、「風と共に去りぬ」クラスだ。それだけ使ってB級映画みたいなことしてる、その心意気が嬉しいじゃありませんか。
面白いのはストーリー・ラインだけじゃない。リアルタイム・レンダリングで常に上下左右に360度見ることが出来るMovement
Modeにより、インタラクティブ・ムービーとしか言い様のないスタイルで、マウス捌きに慣れるまでは、ほとんど車酔い状態の物凄さ。マウスとキーボードのコンビネーションで、しゃがんで上を見たり、背伸びして見おろしたり、監視ロボットの目をかいくぐるために、机の下にもぐりこんだりと、様々な動きを、プレーヤーの視点で操作する。リアルタイムで生成される3DCGの背景に、実写による人物を合成させた画面は、あの名作「ヴァーチャル未亡人」を思わせるけれど、それより遥かに素晴らしい出来だ。町をぶらぶら歩いてる感覚なんで、これで遊んでるうちに、ミーン・ストリートの町に愛着を感じてしまったほどだ。速度的にも、僕のPS/V
Visionでは、インストールの時に「ビデオカードが遅いよ」と言われてしまっただけあって、さすがに、グリグリ動くとまではいかなかったけれど、ストレスを感じるほどではないしね。
移動はMovement Modeだけど、物を見たり、人に話しかけたり、アイテムを取ったり使ったりは、Interactive
Modeで行う。このゲームでは、入手したアイテムを組み合わせて他の目的で使うというケースが凄く多い。というより、ほとんどそれと、会話でゲームは進んでいくという感じだ。アイテムの組み合わせや、散らばった紙片をパズルのように並べ替えて読むといった作業も、このモードでの大事な仕事だ。二つのモードはスペースキーで交互に行き来できるから、不便と言うほどのことはないけれど、インタラクティブ性が高いのが逆に仇になって、つい、モードの切り替えを忘れることがある。ゲーム中、それが命取りになることもあるんで注意しよう(って俺だけかもしんないけど)。操作性自体は悪くない。とにかくマウスでの移動にさえ慣れれば、あとはスムーズに物語の世界に入っていけるくらいの自然さがあると思う。もしかして、インタラクティブ・ムービーの現時点での最高レベルかもしれない。はなしが基本的にバカなんで、どーもそういう感じはしないんだけどね。
登場するキャラクターもいいな。役者さんたちもきちんと芝居して、50年代のB級映画っぽい味を出している。最初は地味な展開だなあ、と思ってたけど、ちゃんと色んなタイプの美人が出てくるし、モーフィングで変身する悪役カメレオンも中々魅力的。地上での最大の敵にしては見かけが可愛い東洋系のおっさんなのだけれど。美女たちの中では、やっぱ、先輩P.I.の愛人でちょっとだけ誘惑してくれるMalahnと、人工冬眠の眠れる色気過多美女Eva(こいつを蘇生させるのは苦労したー)がいいな。女優さんはローレン・バコール風ハードボイルド美女ではなく、三流SF映画風美女なのがちょっと残念だけどね。一人くらいミステリアスな美女がいてもよかった。そういえば、三流SFにつきもののセクシーショットも無い。せいぜい先に挙げた二人、Malahnの下着姿で太股をちらちらさせるシーンと、ラストシーンで見せるEvaのデカイ胸の谷間くらいだな。
ハードボイルド路線は、マーフィーとそのガールフレンドAlaynahがちゃんとやってくれている。誘拐されるAlaynah、ヨーロッパの古城風の隠れ家へ救出に向かうマーフィーなんていうシーンがちゃんとあるから嬉しいよね。それにしても、ラストにはEvaは出てくるけど、Alaynahは出てこない。そして、色気過剰のEvaと清楚で活動的なAlaynahが仲が悪いというのは、基本を本当に押さえてるな。基本を押さえているといえば、随所で飛び出すギャグがまた基本通りというかお約束というか、これがまた50年代のアメリカのコメディ映画のようだ。勝ち誇るマーフィーは絶対柱にアタマをぶつけるし、マーフィーの喋る言葉はつまんないアメリカン・ジョークばっかだ。ホントしつこいくらいギャグが入る。ま、映画館ではバスター・キートンを上映してるという世界だからなあ。月のあたりにある敵の人工衛星に捕らえられた時の監視員の倒し倒し方なんて、ほとんどトムとジェリーで、もうここまで来れば笑っちゃうんだけど、どういうやり方なのかは、これから遊ぶ人のために教えてあげない。
ストーリーはヘンだけど、基本的には一本道だし、ゲーム自体の難易度は高くない。会話のシーンが多いけど、英語があまり出来なくても何とかなるレベルだ。セリフのテキスト表示もあるしね。でも、やっぱり分からない部分があるのは寂しいから、是非日本語化して欲しい。声優はアメリカン・テレビ・ドラマのノリでやってほしいな。ま、英語が出来なくても、オンラインで見ることができるヒントが、とにかく分かりやすいから、詰まればヒント見ればサクサク進んでいく。ヒントさえあれば、実際のゲームで一体何が起こっているのか分からなくてもゲームクリア出来てしまうほどだ。だから、ここでは攻略法的なことは書かない。ただ、ヒントはポイント性で、正しい行動を取った場合加算されるポイントをやたらと消費してくれる。ポイント自体はゲームクリアには関係ないけど、肝心なときにヒントが見られなかったらツライ。ヒントを見るときは、まずセーブ、そしてヒントを見たら、すぐセーブしたデータを呼び出す。こうしておけばヒント身放題だよん。これは極意なので、あまり人には言わないようにしようね(誰でも考えつくが、実行に移す奴は少ないというヤな極意ではある)。
それにしても、こんなにストーリーが充実してるCD-ROMは初めてだ。絵を見せるんじゃなく、物語を見せてくれる作品って、不思議と少ないのがCD-ROMの変なとこなんだけど、この作品とか、KUKIの「サドラマゾラ」とか、ようやく物語を見せる作品が出て来た。何のテーマもなく、ただ面白いだけ、というのがいいな。七日間にわたるマーフィーの活躍を、まるでテレビの連続ドラマのように見せてくれるわけだけれど、一日が終わる毎に、三人称の視点になって、陰謀の一端をかいま見せてくれるという、あざとい演出がまた嬉しい。ちゃんとストーリーを引っ張ってくれる。こういう紙芝居的な手法は時代も年齢も超えて、ワクワクさせてくれるのに、最近ではあんまりテレビドラマでも使われなくなってしまった。そういう、古いことにされてしまった手法をいっぱいぶち込んだ、物語好き御用達のCD-ROMだ。挿入されるエドガー・アラン・ポーの「赤き死の仮面」の引用も、それっぽくていいなあ。フィリップ・マーロー亡き現在、時代のヒーローはロマンとダンスの男テックス・マーフィーでキマリだぜっ。
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UNODOS
販売元:
価格:
対応機種:
●UNODOS
アンマッチゲーム、つまり間違い探しゲームを30シーン集めたCD-ROM。2Dや3DCGで描かれた様々なグラフィック画面が左右に提示されるので、制限時間内にその中から違っている部分を探す。それぞれの間違いの位置はランダムに変化するようになっているので、何度でも楽しめる。レベルは三段階に分かれていて、徐々に難しい問題に挑戦できる。お手つきや得点はリアルタイムに表示され、画面上には制限時間を知らせる棒グラフのバーが刻一刻と短くなり、ゲームの緊張感を高める。単純だが、ついやってしまうのが、間違い探し。ハマると、離れられない。
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うるうる
販売元:太洋堂
価格:5800円
対応機種:Macintosh
●うるうる
「CackleTime」の大洋堂の新作。今回も大した野心を持たずに作りたい物をちょっと作ってみました、という感じで、決して名作ではないが好感が持てる。独立した五つのショート・ストーリーを収録しどこからでも楽しめる構成。セリフが主体の物、完全に絵本になっている物、ちょっとしたインタラクティブ・ムービー風になっている物、それに、前作「CackleTime」の続編など、収録されているストーリーは、どれもそれなりに見せ方を工夫しているし、細かいギャグも成功している部分が多い。値段も手頃で、絵本風CD-ROM好きなら買って損はしないと思う。
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ウルトラマン研究序説
販売元:イマジニア
価格:6500円
対応機種:Macintosh
●ウルトラマン研究序説
エキスパンドブックによって作られた、ウルトラマンの研究論文集。ベストセラーだった同名の本に、大幅に追加を加え、注釈代わりに、ムービーを使い、論文に登場するシーンを実際に目で見て検証することが出来る。この、映像による注釈という手法は、こういう映画やテレビ関係の評論の場合、実に効果的で、このCD-ROMでも論文に説得力を与えることに成功している。エキスパンドブック初期の作品だということもあり、やや動作が遅く、ページめくりや注釈ムービーの呼び出しなどに時間がかかるのがネックだが、それはしょうがないことだな。
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ウルトラマン図鑑
販売元:講談社
価格:8034円
対応機種:Macintosh
●ウルトラマン図鑑
ウルトラマン図鑑というタイトルだが、実はウルトラマンとウルトラセブンの図鑑だ。僕がきちんと物語を把握できるようになった時には、時代は既にウルトラセブンだったから、思い入れも好みもセブンの方に傾いている。実相寺昭雄の「星の林に月の船」なんかを読むと、セブンの頃は、既に予算もなく、なかなか悲惨な状況で作られたようだけど、僕にとっては、何よりも大好きな番組だった。当時まだそんな言葉はなかったけど、小学生の僕は十分にウルトラセブンおたくであったと思う。桜井浩子のフジ隊員よりも、菱美ゆり子のアンヌ隊員の方が好きだったこともあるな。
だから、ウルトラセブンのデータが入っているのは、実に喜ばしいのだけれど、しかし、このCD-ROMを見て死ぬほど欲求不満がたまって、ウルトラセブンを全話見直したくなってしまった。データが少ない、菱美ゆり子のアップが無い、ダリー星人の回の松坂慶子のムービーも無い、スタッフ・キャスト表すら無い、などと不満は多いが、何よりもストーリー紹介の文章が、凄く分かりにくく、ヘタくそだということが、一番つらかった。シナリオが収録されていれば、それが一番嬉しいけれど、それがムリなら、せめて、もう少し、どんなストーリーなのかが、きちんと目に浮かぶように書いて欲しかった。怪獣のデータや科学特捜隊・ウルトラ警備隊の装備なんか、僕にとってはどうでもいい。そんなの、昔持ってた本に、いくらでも書いてあった。収録するデータの質が低いことが問題だ。
しかし、考えてみれば、現在CD-ROMでデータベースのようにして発売されている、この手の懐かしテレビ番組ものに、満足できる出来のものなんてほとんど無い。オープニングのムービーや、最終回のラストシーン、各ストーリーの紹介、登場人物のデータベース、ほとんどどーでもいいようなものが「データ」として収録されている。そんな要素は、あって当たり前だ。問題は、かつてそれをディープに好きだった人が、今見たいデータは何か、ということではないだろうか。ただのコレクターズアイテムでは悲しすぎる。コレクターですら見向きもしない内容のものもたくさんある。
このウルトラマン図鑑は、多少動作は遅いものの、インターフェイスはキレイだし、そこそこリンクもあるしで、ソフトの作りとしてはよく出来てる。でも、図鑑と銘打つ以上、問題は、そこに収録されているデータの内容なのではないだろうか。そう考えると、今度は、「じゃあウルトラマンのデータって何?」という疑問も沸いてくる。切り口の一つとして、このCD-ROMのように、怪獣一覧やストーリー一覧、登場人物一覧、武器装備一覧、という風に、かつての子供向き雑誌の特集のようなものをデータにする、という方法も確かにある。ただ、そのインデックスはそれで良いとして、そこの中には、例えば怪獣なら怪獣で、全てがデータになってなきゃ、CD-ROMで検索する意味がない。完全に制作サイドに立ったデータベースというのもあってもいいし、ムービーなんか入れずに、全シナリオ、スタッフ・キャスト、予算、当時の視聴率、なんかで構成するのもいいだろう。ただ、それでは書籍で出してもいいものになってしまう。そのへんが難しいせいか、本当にこのジャンルには成功作がない。強いて上げれば「パトレイバー」くらいか。「シネマニア」までとは言わないにしても、知りたい情報は全て(完全ではないにせよ)手に入るというレベルは最低必要なのではないだろうか。
懐かしものを適当にパッケージにしたようなCD-ROMは要らないと思う。何となく広告会社やプランナーのはったりだけで作られてるようにさえ感じてしまう。データを揃えて、それを見やすいようにオーサリングするって、凄く大変なことだ。このウルトラマン図鑑にしても、長い時間と手間がかけられてると思う。作りは本当に丁寧だし。でも、どんなに丁寧に作り込んでも、データものは収録データが全てだ。別に未発表のフィルムとか、そんなのが欲しいわけじゃない。CD-ROM自体の作り込みと同じだけの手間をかけて、収録データの吟味と、そのデータベースが本当にデータベースとして使えるものにするための工夫をして欲しい。マニアにはモノ足りず、その他の人は買わない、それじゃ誰のために作ってるんだろうということになってしまう。悲し過ぎる。
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宇宙への挑戦
販売元:ビクターエンタテイメント
価格:12800円
対応機種:DOS/V、PC9821
●宇宙への挑戦
かつて、米ソの宇宙計画戦争が行われていた時代があった。よく考えると、それにどんな意味があったのかよく分からないけれど、それでも、アポロ11号の月着陸には、「凄い!」と意味もなく思ったものだ。当時小学生だった私は、月の石などというものをわざわざ見に行ったりもしたものだ。メチャメチャ長い行列に並んで、ちょっと石ころを見ただけだったけど。
この「RACE INTO SPACE 宇宙への挑戦」は、その宇宙計画戦争のシミュレーション・ゲーム。様々な実験を繰り返し、とにかく先に月着陸を成功させた方が勝つというものだ。
これが、それはそれは難しい。まずは宇宙開発に必要なハードを購入するところから始まって、それぞれのハードに研究開発費をふりわけたり、宇宙飛行士を採用してトレーニングさせたり、打ち上げ実験の計画を立てたりと、ゲーム開始早々から忙しいの何の。プレイヤーは、コンピューターが操るソ連を相手に、アメリカの宇宙計画の最高責任者となって、少しでも早く、月着陸を成功させなければならない。他に、アメリカ、ソ連に分かれて二人で開発合戦をしたり、セーブデータを交換し合うことで、離れたところにいる人間同士で戦うこともできる。二人でやると、これが相当熱くなる。もう、ホントに「こいつだけには負けられない」という気になって、思わず、当時の米ソのスタッフもこんな感じで、あんなに死ぬほど予算をつぎ込んでたんだなあ、とか思ってしまう。実際、メンツとプライドを賭けた見栄の張り合いだったんだろうけど、でも、無理もない。宇宙を目指す、という行為は、これがゲームでもこれほど面白いものなのだ。
実際、これは面白い。打ち上げ実験は、実際の映像を使って行われるし、宇宙開発の歴史や資料を参照することも出来るから、先人の轍を踏まずにうまくやることもできるし、やっぱり同じ様な失敗をしてしまって、歴史は繰り返す状態になることもある。
ゲームは三ヶ月を一つのターンとして行われる。そのターンが変わる毎に、ニュース映像が流れるのだけれど、そこで、宇宙開発に関する情報と共に、その時にあった事件などがランダムに表示される。これが、結構時代を感じさせるだけでなく、「こんなにも時代は進んだのに、俺はまだ有人飛行さえ成功させてねえ!」とか考えて、妙にプレッシャーになったりもするのだ。うーん、ホント良くできてる。
ゲームは、最終目的の月着陸に向けて、小さな打ち上げ実験を繰り返すことで進んでいく。まずは、ロケット打ち上げ実験。無人ロケットを購入し、研究開発センターで安全性を高め、充分な安全性が確保できたら、打ち上げ計画を立てる。次のターンで、必要なハード(この場合はロケット)を組立て、打ち上げスケジュールを確認したら、そのターンの最後に、打ち上げ実験が行われる。ビデオ映像による実験の様子は、中々リアルで、リアルすぎて分かりにくい部分もあるけど、かなり感動的だ。次は、無人の地球周回飛行、このへんは、ちゃんと研究開発が進めば難なく成功する。そろそろ、有人飛行にチャレンジしようか、と思った頃、いきなりライバルソ連は世界初の有人地球周回飛行に成功してしまう。その様子がビデオ画面で表示されるのは、何だかとてつもなく口惜しい。まあ、そんなことでめげてはいけない。このゲームでは、最初ことごとくソ連に先を越される。歴史も結構そうなんだけどね。
そして宇宙飛行士を訓練し(ベーシック・トレーニング終了後、ミッションに合わせて、特殊能力を鍛える上級トレーニングも選択できる)、クルー・チームを結成する。ここでは彼らの能力値に合わせて、最適のポジション選びや人選をしなければならないのだが、クルーの志気や、クルー同士の相性なども表示されるから、それをよく見てチェックしなければならない。ある計画用にとスペシャルチームを組んでいても、いきなりその内の一人が引退したりなんかするので、計画は延期を繰り返すこともある。引退間近のクルーは、長期ミッションからは外さなければならない。しかし、引退まぎわイコールベテランの有能な奴だったりして、本当にこの部分は難しい。不平不満をつのらせて辞めていくやつもいるしね。
有人飛行実験は、細心の注意が必要だ。何せ人の命がかかっている。いくら宇宙飛行士志願者が、命知らずの猛者であっても、実験のために殺していいって法はない。世論もうるさいし、他の宇宙飛行士の志気にも関わるから大変だ。でも、安全性を高めるのにも、有人実験の成功は是非とも必要だ。無人飛行で使ったハードは、既に信頼性が高まっているから、ハード面は問題ない。無人実験と同じように、ミッション計画で、打ち上げる発射台の選択、ミッションの選択を行うと、メイン・クルー・チームとバックアップ・チームを指定する。このプロジェクトのために集められたクルーたちは、何となくたのもしい。クルーを決定したら、ターンを進める。次のターンの冒頭のニュースを見るのはちょっと緊張する。ここでクルーの誰かに抜けられたら、計画はまたも先延ばしになってしまうからだ。宇宙飛行士はいろんな原因で辞めていく。事故、怪我、体調の不調、宇宙計画に対する不満、引退、問題を起こしてメンバーから外されるなど、不測の事態は、ハードの故障だけではないのだ。タイタンロケットと、マーキュリーカプセルの組立てを行い、スケジュールを決定したら、いよいよ打ち上げ。ここまでは、どうにか成功する。もし、ここまでも成功しなかったら、それはあわてすぎなので、ゆっくり構えて、無人実験を繰り返そう。
実験はその後も、惑星探索や、地球周回ドッキング、軌道上に打ち上げたドッキングモジュールとの継続飛行ドッキング、月接近飛行、ランデブー飛行、月着陸と、無人実験で安全性を確かめては、有人実験を行うというペースで、様々な実験を繰り返さなければならない。全ての実験を行っていたら、とてもじゃないけどソ連の先を越すことなんか出来ないから、うまくステップを飛ばしながら、効率的に実験を行っていかなければならない。そのへんが最高責任者たるプレイヤーの腕の見せ所だし、ゲームの面白いところだ。ソ連が先に月着陸を成功させたら、そこでゲームオーバー。
それにしても、細かいところまで良くできてる。宇宙飛行士に見慣れた名前も混じっていたりして、その人たちは、能力を実際の宇宙飛行士に似せて作ってあるらしい。アームストロングなんて名前を見ると、つい重要なミッションに使いたくなるよね。しかし、私のアームストロングは、宇宙に出る前に引退してしまったのだった。CIAは刻々と、ソ連の計画を伝えてくるし、ケネディ暗殺以降、どうも予算が苦しくなる(ベトナム戦争だー!)し、1970年からニュースはカラーテレビになるし、女性宇宙飛行士を必ず一人は採用しなければならなくなるし(しかし、彼女たちは凄く有能だ)、宇宙飛行士が殉職すると、きちんと葬式があって、お墓まで立ってしまう。ここまで凝って作ってあると、宇宙飛行士たちが喋らないのが不満に思えてくる。せめて、「このプロジェクトに参加できて光栄です」とか言って欲しい。でも、そうやって宇宙飛行士に情が移ると、実験失敗で死なせてしまったとき、ゲームを続けられないかもしれないな。無理を承知で強行した実験は、必ずといっていいほど失敗するし、それが有人実験だったりしたら、もう、ほんと「責任をとって辞職します」とか言って、ゲームを止めたくなってしまう。ダビスタでレース中に故障して、そのまま死なせてしまうよりも悲しい。
そうとうに深いゲームで、ちょっととっつきは悪いけれど、丁寧に書かれた長文のマニュアルがあるから、宇宙の知識がなくても大丈夫。このゲームを何回かやってる内に、かなりの知識が身に付くはずだ。というより、知識を身につけていかないと、いたずらに人殺しになってしまう。
宇宙開発は、本当にドラマチックな作業だ。もう、あらゆるドラマが詰まっている。それを忠実にシミュレートしたこのゲームは、しかし、忠実だからこそ、「こんなん、やってられんわ」という気分にもさせてくれる。こんなゲームを作ってしまうアメリカというのは、お気楽なのか、凄いのか。ゲーム中、次々と拡張されていく宇宙開発施設を見ていると、何故かだんだん悲しくなって、ガラにもなくブルーはいっちゃった。凄く面白いけど、でも何か怖いな。
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美しい夏 稲越功一写真集
販売元:シナジー幾何学
価格:3800円
対応機種:HYBRID仕様
●美しい夏 稲越功一写真集
矢沢永吉などで有名な写真家稲越功一のおびただしい写真群から、写真評論家高橋周平が選んだ400点の旅の写真によるCD-ROM。音楽を日向敏文が担当し、基本的には、章分けされた十数枚ずつの写真をスライドショーで見る。写真が現れてから消え、また次の写真が現れるまでの時間を、4秒に設定し、スライドショーの魅力を最大限に引き出している。データは、Directorでオーサリングされた256色の画像だが、色の再現性は非常に高い。シナジー幾何学の写真集シリーズ「Photopedia」シリーッズの第二作でもある。旅に出たくなるCD-ROMだ。
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浮世の絵
販売元:アール・キー
価格:15000円
対応機種:Macintosh
●浮世の絵
春画を中心に、風呂絵、美人画、風景画から、国芳に代表される狂妄戯画まで、浮世絵110点を収めたCD-ROM。作品鑑賞編、教育用資料編、スライド・ショーの3つのメニューで構成され、各作品の絵師、タイトル(もっとも、タイトルは後世の研究家が便宜上付けたものがほとんどだが)、所蔵博物館などのデータも収録されている。また、浮世絵の歴史や時代背景、浮世絵製作工程を図解したもの、当時の出版規制についての解説や、絵師年表なども参照することができる。説明はアニメーションなども付いて分かりやすく、浮世絵にこれから親しもうという初心者向け。
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