RMNデジタル・アートセレクション3「ナポレオン、皇帝の謎」
販売元:フジテレビ/インフォシティ
定価:12000円(税別)
動作環境:Mac, Win3.1, Win95
「ダ・ヴィンチ」「ルーブル美術館」と続いた、RMNデジタル・アートセレクションの第三弾は、フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトの伝説と史実、時代と、その芸術を詳細に見せていく、一風変わったアートギャラリーだ。シリーズに共通した、膨大なデータ量と、分かりやすいインターフェイスで、ナポレオンの生涯と、その時代を見せてくれる。データは、絵画、名画、資料、パリ、軍隊の五つのジャンルについて、写真や絵画を見せてくれる、一大ナポレオン美術館的な部分と、年表、用語辞典、物語、地図、美術館の五つに分かれた、テキストとナレーションを中心にしたナポレオン辞典的な部分の十個のパートに分かれている。それぞれが、ハーパーテキストの形でリンクしているのは、このシリーズ共通のインターフェイスだ。
ソフトを起ち上げると、まず、「物語」のメニュー画面になる。伝説、将軍、執政、皇帝、アウステルリッツの戦い、そして、百日天下ワーテルローの戦い、の六つの事柄について、テキストと、鹿賀丈史によるナレーション付きのスライドショーで物語ってくれる。ここで、ナポレオンの生涯と時代についてのアウトラインを知ることが出来る。テキスト部分は、スライドショーの内容を詳しく書いたもので、人物や絵画などのデータとリンクしているから、スライドショーを見た後、テキストで好きなだけ詳しく見ていくことが出来るようになっているわけだ。
各パートへは、いつでも呼び出せるメニューパレットから直接アクセスすることも出来る。ナポレオンやその家族、時代を描いた「絵画」、当時のドラクロワやアングルなどの名画を紹介する「名画」、ナポレオンの所蔵品など貴重な資料を写真で見せてくれる「資料」、当時のパリをスケッチやデッサンで見せる「パリ」、軍隊の様子を絵画で見せる「軍隊」などの絵画データだけをまとめて見ることも出来るわけだ。
年表や用語辞典も、分かりやすくまとまっていて、そのテキストもハイパーテキストになっているため、関連資料をどんどん深く探っていくことも出来る。このCD-ROM一枚で、伝説としてしか知らないナポレオンを知り、さらに、謎に満ちた生涯を自分なりに探ることが出来る。時代に密接した美術鑑賞を実現したと言えるだろう。
(納富廉邦)
(MacWorldJapan 1996.01)
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