RiPPER


 販売元:TAKE2
  定価:5980円(輸入盤参考価格)
動作環境:DOS/V



 Jack The Ripperを題材にした作品は、その未解決の謎を解くものから、生きていたジャック・ザ・リパーとか、現代に甦った切り裂きジャックとか、様々な形で小説や映画に取り上げてられている。
 この「Ripper」もタイトル通り切り裂きジャックに題材を求めた作品だ。西暦2040年のニューヨークに突如現れた殺人鬼は、伝説の切り裂きジャックと同じ扮装、同じ手口で美女を襲い、自らRipperと名乗った。プレイヤーは犯罪レポーターであるジェイクとなり、この事件を追うが、彼の同僚であり恋人であった女性も、Ripperの手で殺されてしまう。事件の周辺に常に現れる謎の探偵(クリストファー・ウォーケンが怪演)や、美人女医など様々な登場人物が錯綜する本格サイコスリラーだ。全編フルスクリーンのムービーと、きちんとカット割りされた本格的な映像が雰囲気を盛り上げる(ブルー・オイスター・カルトの音楽がまたカッコいい)。
 アメリカのゲームらしく、事件を追う過程でパズルを解く必要があるが、突然無意味なパズルを解かされるのではなく、例えば壊れたマグカップを組み立てて、そこに書いてある文字を読む、といった、謎解き風パズルになっているので、物語を邪魔しない。また、アクションゲームの要素や、ライブラリがヴァーチャル空間になっているなど仕掛けも満載で、たっぷり楽しめる作品になっている。まあ、ストーリー的には、ベタなシリアルキラーもので、ひねりはないけど、でも、その分爽快に物語は進行する。予想通りというか、そういうのも楽しいでしょ。会話が中心だけに、相当な英語力を要求されるので、是非、日本語化して欲しい。面白さは保証付き。
(納富廉邦)
(MediaDirect CD-ROM MAGAZINE 1996.08)

五十音別索引
アルファベット索引